こんにちは。名古屋市中区・伏見エリアにある「テラッセ納屋橋ファミリークリニック」院長です。
2026年6月頃から、テレビの報道番組やニュースサイト、SNSで「マンジャロ」の話題を目にする機会が一気に増えました。
「マンジャロの転売は違法」
「フリマやSNSでの個人間売買に行政が警告」
「“通販感覚”のオンライン診療に潜むワナ」
こうした見出しを見て、「自分が使っているのは大丈夫?」「これから始めたいけど、違法なの?」と不安になった方も多いのではないでしょうか。実際、当院の肥満外来でも6月以降、この報道に関するご質問が急増しています。
結論を先にお伝えします。
- SNS・フリマでの個人間売買(転売)や無許可販売は、薬機法違反です。買う側にも偽造品・健康被害の重大なリスクがあります。
- 一方で、医師の診察と十分な説明のもと、医療機関で自由診療として処方を受けること自体は違法ではありません。
この記事では、今回の報道で「何が問題とされているのか」を正確に整理し、危険な入手ルートと安全な受診の違い、そしてクリニック選びのチェックポイントを、消化器内科医の視点から解説します。
目次
1. いま何が起きているのか——2026年の報道を整理
今回の一連の報道のポイントは、大きく3つです。
① SNS・フリマでの「転売」に行政が直接警告
マンジャロを「余ったから譲ります」などとSNS上で販売する個人に対し、東京都の薬務担当部署が公式アカウントから直接「販売を中止してください」と警告する対応が話題になりました。厚生労働省の公式SNSでも、糖尿病治療薬の個人間売買は薬機法違反であり、「売らない・買わない」よう注意喚起が行われています。
許可なく医薬品を販売・譲渡する行為は、たとえ1回だけでも、利益が出ていなくても、法律違反(処罰の対象)となり得ます。これは売る側の話ですが、買う側にとっても後述する重大なリスクがあります。
② 「診察なし・確認なし」の処方への規制強化
ろくに問診もせず、体重や健康状態の確認もないまま“通販感覚”で薬だけを送るタイプのオンライン診療が問題視され、報道でも取り上げられました。2026年に入り、不適切な広告を行う医療機関への監視・指導は明確に厳格化されており、こうした運営スタイルのクリニックは今後淘汰されていく流れにあります。
③ 「痩せる必要のない人」への処方——痩せすぎ問題
すでに標準体重を下回っている方や、医学的に減量が不要な方にまで安易に処方される事例が報じられました。マンジャロは強力な食欲抑制作用を持つ薬です。「誰にでも・いくらでも使っていい薬」ではなく、「使うべき人が、適切な管理のもとで使う薬」です。
2. 転売品・個人輸入品がなぜ危険なのか
「正規品なら誰から買っても同じでは?」と思うかもしれません。医師の立場から、明確に「違います」とお答えします。

危険① 偽造品のリスク
海外では偽造GLP-1製剤の流通が摘発されており、見た目では本物と区別がつかないケースもあります。2026年2月には英国の規制当局(MHRA)がマンジャロの偽造品について緊急警告を発出しました。報道によれば、有効成分の代わりにインスリンが封入されていた偽造品も確認されており、これを知らずに注射すれば重度の低血糖を起こしかねません。近年の偽造品はパッケージの再現精度が高く、外観だけで真偽を見分けることは事実上不可能です。個人間売買の製品は、中身が何であるかを誰も保証してくれません。
なお、日本国内で正規流通しているマンジャロは、日本イーライリリーが製造販売し田辺三菱製薬が販売する1種類のみです。医療機関は正規の医薬品卸から仕入れるため、クリニック処方であれば偽造品の心配はありません。
危険② 温度管理(コールドチェーン)の崩壊
マンジャロは2〜8℃での冷蔵保管が基本の、温度に敏感な薬剤です。個人の手元でどう保管・輸送されたか分からない製品は、仮に本物であっても品質が保証できません。当院が郵送時に必ずクール便を使うのは、このためです。
危険③ 副作用が出ても、相談先も救済もない
吐き気や嘔吐、まれに膵炎などの重い副作用が起こる可能性があります。医師の管理外で入手した薬で健康被害が起きた場合、相談できる主治医がいないうえ、公的な医薬品副作用被害救済制度の対象にもならない可能性が高いのです。すべてが自己責任になります。
危険④ 禁忌(使ってはいけない人)のチェックがない
甲状腺髄様癌の既往・家族歴がある方、多発性内分泌腫瘍症候群2型(MEN2)の方は使用できません。膵炎の既往がある方も慎重な判断が必要です。妊娠中・授乳中の方も使用できません。こうした確認は、医師の診察という関所があって初めて機能します。転売品にはこの関所がありません。
3. では「違法」と「適法」の線引きはどこか
報道の見出しだけを見ると「マンジャロのダイエット利用=違法」と誤解しがちですが、正確には以下の通りです。
| 入手・使用の形態 | 評価 |
|---|---|
| SNS・フリマでの個人間売買 | 違法(薬機法違反) |
| 個人輸入・輸入代行サイトでの購入 | 偽造品・健康被害リスクが高く、強く非推奨 |
| 診察・説明が実質的にない“処方” | 不適切。規制強化の対象 |
| 医師の診察・リスク説明・禁忌確認を経た自由診療での処方 | 違法ではない(適応外使用としての自由診療) |

補足すると、2026年現在、主要な個人輸入代行サイトではマンジャロを含むGLP-1製剤の取り扱いが順次停止されています。冷蔵輸送の難しさや法的リスクが背景とみられ、「代行サイトで買えるマンジャロ」を名乗るものは、そもそも出所の怪しい製品である可能性が高いと考えてください。
ただし適法な自由診療であっても、マンジャロは本来2型糖尿病の治療薬であり、ダイエット目的の使用は「適応外使用」にあたります。だからこそ、効果には個人差があること、副作用のリスク、費用について、医師から直接説明を受け、納得したうえで始めることが大前提です。当院ではこの説明を初回対面診察で必ず行っています。
厚労省の注意喚起の背景については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ 【医師解説】厚労省のマンジャロ・GLP-1注意喚起の真相と、安全な医療ダイエットの条件
4. 安全なクリニックの見分け方——5つのチェックリスト
報道では「安全なクリニックの見分け方」も話題になりました。医師として、最低限確認すべきポイントを5つ挙げます。

- 初回に医師の診察(対面または適切な診療体制)があるか
問診票を送るだけで薬が届くようなクリニックは避けてください。当院では初回は必ず対面で診察し、体調・既往歴・禁忌の確認を行います。 - 禁忌・既往歴の確認をしているか
甲状腺髄様癌やMEN2、膵炎の既往、妊娠の可能性などを確認しないまま処方するクリニックは、あなたの安全を見ていません。 - 料金体系が明朗か(追加費用・パック売り・勧誘の有無)
「初月○円」の広告で誘い、高額な回数券やサプリ、他の美容施術をセット販売するケースには注意が必要です。当院は薬剤料のみのシンプルな料金体系で、勧誘や押し売りは一切ありません。 - 副作用が出たときに相談できる体制があるか
吐き気・嘔吐・腹痛などが出たとき、すぐ相談できる窓口があるか。当院は消化器内科を専門とするクリニックですので、マンジャロで最も多い消化器系の副作用にこそ、専門的に対応できます。 - 「やめどき」を一緒に考えてくれるか
痩せる必要のない体重まで漫然と処方を続けるクリニックは適正とは言えません。当院では体重・体調の推移を見ながら、減量や卒業のタイミングもご提案します。目標は「薬を使い続けること」ではなく、「薬を卒業しても維持できる食習慣」です。
5. 当院の肥満外来(マンジャロ)のご案内
テラッセ納屋橋ファミリークリニックは、開業以来、保険診療(内科・消化器内科・内視鏡検査)とともに医療ダイエットに取り組んできました。「ネットで安く買ったが副作用がつらく、相談先がない」「今のオンラインクリニックに不安を感じる」という方の転院のご相談も歓迎しています。
- 初回は対面診察で、禁忌確認・リスク説明・看護師による注射指導を実施
- 2回目以降はオンライン(LINE)診察・クール便郵送に対応
- 薬剤料のみの明朗会計。診察料・手技料などの追加費用は一切なし
- サプリや美容施術の勧誘・パック売りは一切なし
料金(税込・薬剤料のみ)
| 用量 | 月額 |
|---|---|
| マンジャロ 2.5mg | 18,000円 |
| マンジャロ 5mg | 33,000円 |
| マンジャロ 7.5mg | 44,000円 |
| マンジャロ 10mg | 55,000円 |
| マンジャロ 12.5mg | 66,000円 |
| マンジャロ 15mg | 77,000円 |
※クール便送料880円(2万円以上は無料)。上記以外の追加費用はかかりません。
※効果には個人差があります。副作用(吐き気・嘔吐・便秘・下痢、まれに膵炎等)のリスクについては診察時に必ずご説明します。
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よくある質問(FAQ)
Q1. マンジャロをダイエット目的で処方してもらうのは違法ですか?
いいえ。医師の診察とリスク説明のもと、医療機関で自由診療として処方を受けること自体は違法ではありません。違法なのは、SNSやフリマサイトでの無許可の販売・譲渡です。ただし適応外使用にあたるため、リスクを理解したうえで、医師の管理下で使用することが不可欠です。
Q2. SNSで安く買えるマンジャロは本物ですか?
確認する手段がありません。偽造品の可能性に加え、本物であっても温度管理が保証されず品質が劣化している恐れがあります。健康被害が出ても救済制度の対象外となる可能性が高く、絶対におすすめできません。
Q3. 今、別のオンラインクリニックで処方を受けています。転院できますか?
可能です。当院では他院からの切り替えのご相談を随時受け付けています。現在の用量や体調を確認したうえで、安全に継続できるプランをご提案します。
Q4. 副作用が心配です。
最も多いのは吐き気・胃部不快感などの消化器症状で、低用量から開始し体を慣らすことで多くは軽減できます。当院は消化器内科専門のクリニックですので、副作用が出た際も専門的に対応可能です。まれに膵炎などの重い副作用の報告もあるため、強い腹痛などがあればすぐにご連絡ください。
Q5. どのくらいで卒業できますか?
個人差がありますが、当院では「薬を一生続ける」ことを前提にしていません。体重と食習慣の変化を見ながら、減量・休薬・卒業のタイミングを一緒に判断していきます。
この記事を書いた医師:
テラッセ納屋橋ファミリークリニック 院長 近藤 規之
名古屋市中区にて内科・消化器内科(内視鏡)・医療ダイエットを専門に診療しています。
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