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大腸ポリープと大腸がんの違い・関係性とは?

2024年9月24日


大腸ポリープは、大腸の内側の粘膜がいぼのように盛り上がり突き出ているものです。ほとんどが良性のため、心配はありません。一方、大腸がんは、大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍です。どちらも大腸の内側にできる突起物ですが、その性質や健康へのリスクは大きな違いがあります。この記事では、大腸ポリープと大腸がんの違いとその関係性について詳しく解説します。


大腸ポリープと大腸がんの違いは?


どちらも大腸の内側にできる隆起した病変のことですが、いくつかの違いがあります。


大腸ポリープとは


皮膚や粘膜の表面から突き出ている丸い腫瘤のことで、形状や大きさはさまざまです。茎のような部分で表面にくっついていることが多く、見た目が小さなキノコのように見えることもあります。多くの場合が良性ですが、がんになることもあるため注意が必要です。


大腸がんとは


大腸の内側の粘膜から発生するがんです。ポリープががん化する場合や、粘膜から発生する場合があります。進行すると、粘膜の表面から大腸の壁の奥深くまで広がり、腫瘍が大きくなることで症状が現れやすくなります。


腺腫がなく全体が癌細胞で構成されている腫瘍をデノボ癌といい、大きさに関係なく、見つけ次第すぐに切除する必要があります。正常な細胞から直接発症するため、平らな形をしていることが多く、くぼみが見られることもあります。デノボ癌は、小さくても全てが癌細胞でできています。


大腸ポリープががんになる理由


良性の腺腫と呼ばれるものがあり、これが時間とともに悪性化してがんになることが一般的です。腫瘍細胞は、体の制御を受けずにどんどん増え、大きくなるとともにがん細胞の割合も増えていきます。最終的に、全体ががんに置き換わります。


大きな腺腫は、がんに進行する可能性が高いため注意する必要があります。ただし、小さな腺腫であっても、がん細胞が含まれていることがあります。


大腸がんになりやすい大腸ポリープの種類


大腸ポリープには、将来的にがんに進展する可能性があるものと、ならないものがあります。がんにならないポリープは、単に存在しているため、問題がありません。大腸ポリープは大きく分けて、「腫瘍性」と「非腫瘍性」の2種類に分けられます。


腫瘍性ポリープ


大腸ポリープの約80%は腫瘍性病変で、その多くは腺腫と呼ばれる良性腫瘍です。悪性腫瘍だった場合、大腸がんになります。


腺腫は良性ですが放置すると、悪性化して大腸がんになるリスクがあります。腺腫ががんに変わるまでには、5〜10年かかることがほとんどです。大きさが10ミリメートル以上になると、がんになるリスクが高くなります。


SSL(sessile serrated lesion)も、がん化しやすい大腸ポリープです。SSLとは、鋸歯状病変のことで平坦であることが多いため、他の腺腫性ポリープと比較して見つけにくいことが特徴です。大腸の粘膜組織で細胞が分裂する過程で発生し、粘膜の表面がギザギザしています。


非腫瘍性ポリープ


腫瘍性ではないポリープのことで炎症性、過形成性、過誤腫性などがあります。腸内の強い炎症や加齢、正常な細胞の過剰増殖などが原因です。大きなものや多発する場合などの特殊なケースを除けば、がんになるリスクはほとんどないため、基本的に治療の必要はありません。


炎症性ポリープ


「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」などの大腸の炎症性疾患の後に、粘膜が再生される際にできます。炎症が治まった後、粘膜が再生される過程で細胞が増え、その結果ポリープが形成されます。


過形成ポリープ


加齢などが原因で、粘膜が盛り上がってできるポリープです。通常は5mm以下の大きさで、直腸に発生することが多いのが特徴になります。


過誤腫性ポリープ


正常な粘膜が過剰に発育したものです。ポリープが大きくなると自然に脱落し、血便や下血を伴うことがあります。


まとめ


大腸ポリープには、がんになる可能性があるものと、ならないものがあります。大腸がんの多くは、良性の腺腫として始まり時間が経つとがんになることがほとんどです。


大腸ポリープはほとんどの場合で、自覚する症状がありません。特に小さなものは、ほとんどが無症状です。定期的に内視鏡検査を受けることで、良性の腺腫を早めに発見することができ、がんになるリスクを減らせます。


当院の大腸内視鏡検査は、患者さまの負担を軽減できるよう苦しくない大腸内視鏡検査

を行っています。気になる症状がある方や、定期検査など、お気軽にご相談ください。


テラッセ納屋橋ファミリークリニック
医師
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