ブログ

大腸ポリープ切除は大変?切除や切除後について解説

2024年5月21日


大腸ポリープは、大腸の内側にできる小さな突起や成長物です。がんにならないポリープの場合、単に存在するだけで健康に害を及ぼすことはありません。しかし、がんになる可能性のある場合には、切除が必要になることもあります。


がん化する可能性があるポリープを取り除くことは、大腸がんになるリスクを減らします。そのため、長い目で見た場合に健康を保つための手段と言えるでしょう。


今回は大腸ポリープの切除について解説します。また、手術についてや、術後など全体の大まかな流れを解説します。


大腸ポリープとは


大腸ポリープとは、大腸の内壁にできる小さな突起物です。これらは、小さなぶつぶつから数センチメートルの大きさまでさまざまです。


ポリープには、単なる炎症や身体の過剰な反応によってできる非がん性のものと、時間が経つにつれてがんに進行する可能性がある腫瘍性のものがあります。大腸ポリープは、多くの場合、症状を引き起こさないため、定期的な健康診断で発見されることが一般的です。


がん化する可能性のあるポリープ


ポリープには良性のものがあり、すべてががんになるわけではありません。腺腫やSSLと呼ばれるポリープは、将来的に大腸がんに進行するリスクがあります。


線種

大腸検査でよく見つかるのが、腺腫と呼ばれるポリープ型の腫瘍です。腺腫は、細胞が制御を失って無秩序に増殖することで成長します。時間が経つにつれて細胞は変化し、場合によっては大腸がんへと進行するかもしれません。


SSL(セッシル・セレーテッド・レジョン)

SSLも大腸ポリープの一種です。専門家の意見は分かれていますが、SSLも腺腫と同様に、勝手に成長していく性質があり、大腸がんへと進行する可能性があると考えられています。


大腸ポリープを切除する理由


多くの大腸がんは、腺腫から始まるとされていますが、腺腫自体が症状を引き起こすことはめったにありません。発見するためには定期的な大腸検査が大切です。


腺腫を早期に発見し取り除ければ、将来的に大腸がんを発症するリスクを減らすことが期待できます。実際に、腺腫の切除は、大腸がんによる死亡リスクを減少させる効果があると報告されています。


また、SSLは大腸がんへと発展するかもしれない小さなポリープです。切除することによって、大腸がんの予防につながる可能性があるとされています。


つまり、ポリープの切除は大腸がんを予防し、健康寿命の延長へつながると言えるかもしれません。


大腸ポリープを切除するのは大変?


大腸ポリープの切除は、一般的には内視鏡を使用するため、比較的簡単な方法です。内視鏡に取り付けられたワイヤー状の器具を使用してポリープの根元を絞り、小さな電流を流して、ポリープを安全に切り取ります。お腹を切る必要がないため、身体への負担は少ないといえます。


ただし、ポリープの種類や大きさ、位置によって必要な時間や処置は異なります。


切除する場合の流れ 


大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、その場で除去することが可能です。切除を行った場合には20~30分程度時間が必要になります。切除後は、しばらく安静にして経過をみます。


通常は、日帰りで可能な処置ですがポリープの形状や大きさ、数によっては、入院が必要になるかもしれません。


大腸検査前に注意すること


大腸検査を受ける場合、ポリープが見つかった場合に備えて準備が必要です。血液をサラサラにする薬を服用している場合は、医師の指示に従って検査の数日前から調整を行うことがあります。これは、ポリープを取り除く際の出血を防ぐためです。


大腸ポリープ切除後の注意点 


ポリープの切除をした後、最も注意が必要なのは出血です。最初の1週間はリスクが高いため、出血を防ぐために日常生活で注意してください。何か異常を感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。


入浴


手術当日はお風呂に入らず、シャワーだけにしてください。水圧がお腹に当たらないように注意しましょう。手術の翌日からはシャワーが可能ですが、湯船につかるのは切除から1週間後からにしましょう。


運動


手術の翌日からは、軽い散歩くらいなら大丈夫ですがジョギングや筋トレなどの激しい運動は、1週間程度控えてください。重たいものをもったり、いきんだりすることも止めておきましょう。


移動


手術を受けた後の最初の1週間は、飛行機での旅行は避けてください。高度が変わると体内の気圧も変化し、出血する可能性が高くなるためです。


また、車や電車など他の交通手段でも、長時間同じ姿勢でいるとお腹に圧力がかかり、これも出血のリスクを増加させる可能性があります。手術後は1週間は長距離の移動は控えめにしましょう。


薬の再開


薬を中止していた場合、いつ再開するかは医師の指示に従ってください。


術後の合併症


ポリープの除去手術後にお腹の痛み、血の混じった便、または発熱が見られた場合は、すぐに切除を受けた医療機関に連絡をしましょう。


大腸ポリープを切除した場合の食事


大腸ポリープを取り除いた後の食生活には、負担をかけないように注意しましょう。消化の良いものを摂るようにしてください。


ポリープ切除の当日


お粥、素うどん、豆腐、ゼリー、ヨーグルトなど、やわらかく消化の良いもので済ませてください。


切除後2~3日


翌日から徐々に制限を緩めていきます。油分の多い食べ物や刺激が強い香辛料などの刺激物は控えてください。約1週間かけて普段の食生活に戻してください。


アルコール


アルコールは血流を促進し、出血のリスクを高める可能性があるため、1週間は控えめにしてください。ただし、ノンアルコール飲料であれば、適量なら問題ありません。


消化の良い食べもの


    • ・お粥・うどん・そうめん
    • ・卵・牛乳・チーズ
    • ・白菜・大根・キャベツ
    • ・鶏むね肉・鮭・白身魚
    • ・豆腐・納豆
    • ・リンゴ・バナナ

まとめ


大腸ポリープは、大腸の内壁にできる突起物です。その中には、がんに進行する可能性がある腫瘍性のものがあります。腺腫は、将来的に大腸がんに進行するリスクがあるため、定期的な大腸検査で早期に発見し、切除することが重要です。


切除自体は、医師の手技は必要ですが内視鏡を用いた比較的簡単な手術なため、多くの場合は日帰りで行われます。しかし、ポリープの種類や大きさ、位置によっては、入院が必要になるかもしれません。


ポリープの切除は大腸がんの予防につながり、健康寿命を延ばす可能性があると言えます。

ただし、ポリープ切除後の1週間は、日常生活に注意しましょう。


テラッセ納屋橋ファミリークリニック
医師
⇒院長の経歴はこちら