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海外の肥満外来で処方される「リベルサス」について解説

2024年6月10日


ダイエットに挑戦する際、空腹感によって過食してしまったり、間食を止められなかった経験はありませんか?リベルサスは、そんな時に役立つかもしれません。


リベルサスは、2型糖尿病の治療に使われるGLP-1受容体作動薬という種類のお薬です。満腹感を長持ちさせ、自然と間食を減らす効果が期待できます。ここでは、リベルサスの効果や注意点などについてご紹介します。


リベルサスとは


リベルサスは、飲むタイプのGLP-1受容体作動薬です。体重を減らしたい方や血糖値を管理したい方に役立ちます。日本では2型糖尿病の方の治療薬として2020年に承認されました。


このGLP-1受容体作動薬は、特定のホルモンを分泌するように働きかける特別なお薬です。ただし、これまでは注射でしか使えませんでした。その理由は、薬の成分が大きくて胃の中の酵素によって壊されやすいためです。


そこで、胃の中で薬が壊されないようにする特別な成分を加えました。それによって、注射しなくても薬を飲むことで身体に吸収できます。リベルサスは、飲み薬で効果を得られることが大きなメリットです。


リベルサスのダイエット効果とは


リベルサスは食欲を抑え、満腹感を早く感じさせ、脂肪の燃焼を助けることで、ダイエットに役立つお薬です。


1.食欲を抑える


リベルサスはインスリンというホルモンを出しやすくすることで、血糖値を安定させお腹が空くのを抑えるお薬です。薬に含まれるGLP-1という成分の働きで、食べたいという気持ちを抑えるため、食事の量を自然に減らせられます。


2.満腹感を感じやすい


リベルサスは胃の動きをゆっくりにして、食べ物が消化される速度を遅くするため、少ない量の食事でもお腹がいっぱいに感じられます。


3.脂肪の燃焼を助ける


リベルサスには脂肪を分解したり、エネルギーを消費する速度を上げたりする効果も期待できます。


肥満外来でのリベルサスの取り扱い


肥満外来は、医師や管理栄養士などの専門家が肥満解消のためのダイエットや生活・食事習慣の指導を行い、肥満に悩む人の体調管理をサポートしてくれる診療科です。海外の肥満外来では肥満症の治療薬としてリベルサスが処方されます。リベルサスは、アメリカのFDA、EU27か国のEMA、韓国のMFDSなどの国では肥満症の治療薬として認可されているためです。


日本では治療薬として認可されていないため、肥満外来を受診したとしても処方は受けられません。ただし、保険適用外で全額自己負担の場合は医療機関であれば処方を受けられます。海外から薬を個人輸入することは、リスクを伴うため避けましょう。


リベルサスを服用する際の注意点


リベルサスを服用する際には、注意することがいくつかあります。


肥満治療では保険適応されない


リベルサスは、糖尿病の治療薬として使用される場合には保険が適用されますが、単に体重を減らす目的で使用される場合には保険適用外となります。ダイエット目的では自費での支払いが必要です。


そのため、価格はクリニックによって違います。処方量などによっては高額になるため注意してください。


リベルサスの飲み方


リベルサスは、お腹が空いている時に飲む薬です。120ml以下の水と一緒に、1回に1錠を飲んでください。この薬は湿気と光の影響を受けやすいため、直前にシートから取り出します。


お茶やコーヒー、服薬用のゼリーで飲むのは避けましょう。錠剤は噛んだり割ったりせずに、丸ごと飲み込んでください。薬を飲んだ後は、少なくとも30分は食べ物や飲み物、お薬を控えましょう。飲み忘れた場合は、翌日の空腹時に飲むようにします。


効果と副作用


体重減少を自覚できるようになるには、2〜3ヶ月ほどかかるといわれています。徐々に効果が現れるため、効果を直ぐには実感できません。


副作用は、用量によって出現しやすいため最初は少ない量から始めることが大切です。身体が慣れてきたら、医師の指示に従って量を調整していきましょう。吐き気や下痢などの胃腸症状、めまいや味覚障害などが起こる可能性があります。副作用の強いときは内服を中止して、医師に相談してください。


まとめ


リベルサスは2型糖尿病の治療薬で、肥満治療にも使われます。食欲を抑え、満腹感を持続させる効果が期待できます。ただし、日本では糖尿病治療には保険が適用されますが、肥満治療には適用されません。また、副作用には注意してください。


リベルサスを処方してもらうためには、医師の診断を受けることが必要です。安全に治療を受けるためにも、医療機関で必ず診察を受けましょう。


テラッセ納屋橋ファミリークリニック
医師
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