医療ダイエットは体重減少や健康改善を目指す一方で、副作用やリスクも伴います。本記事では、リベルサスとマンジャロという2つの医療ダイエット薬について、それぞれのデメリットやリスクを詳しく解説します。
目次
■リベルサスのデメリット
リベルサスは、GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」を有効成分とする内服薬です。2型糖尿病治療薬として承認されていますが、リベルサスの服用にはいくつかのデメリットがあります。
◎正しい飲み方、服用方法でないと効果が出ない可能性がある
処方された用量を誤った方法で服用すると、薬の効果が低下するリスクがあります。空腹時に服用しなければならないため、起床時や朝食前に飲む必要があります。
さらに、リベルサスを摂取する際には、1回1錠を噛まずにコップ半分の水で飲むようにしてください。
◎長期間服用する必要がある
リベルサスは食欲減退や血糖値を安定させるなど、痩せやすい体づくりをサポートするものです。効果を実感するためには、時間がかかります。効果は徐々に現れるため、短期間での効果は期待できません。
長期間の服用が前提であるため、医師と相談しながら継続的に治療することが重要です。
◎リベルサスのメリット
リベルサスは自然な食欲抑制効果が期待でき、空腹感や過食を防ぐことで健康的なダイエットをサポートします。
また、内臓脂肪の燃焼や基礎代謝の向上も見込めるため、全体的な体脂肪減少にも効果的です。さらに、他の注射タイプのGLP-1受容体作動薬と比べて、飲み薬であるため痛みがなく、日常生活に取り入れやすいのも大きなメリットです。
■マンジャロのデメリット
マンジャロは、GIPとGLP-1という2つのホルモンの作用を兼ね備えた、注射薬です。デメリットは以下の点があげられます。
◎注射をする必要がある
この薬剤は週に1回、ご自身で皮下注射する形で投与します。注射の際に痛みや不快感を感じるかもしれません。注射を嫌がる方や苦手な方にとって、定期的な注射は負担になることがあります。また、毎日ではないため忘れないようにすることも必要です。
◎手技が必要
専用の注入器で簡単に操作できる設計ではあります(注射薬と注射器、針が一体化されており、あらかじめ針が取り付けられているため、針を扱う必要がなく操作が非常に簡単です)が、それでも注射の手技に慣れていない場合、最初は操作に戸惑うことがあるかもしれません。
◎マンジャロのメリットとは
マンジャロの使用方法は、リベルサスとは異なり、決まった時間に腹部に注射するだけで済みます。リベルサスのように朝食前に服用する必要はありません。週に一度の注射で効果が持続するため、毎日の服用が必要ないという便利さがあります。
他の薬剤と比べGLP-1とGIPという2つのホルモンの二重作用が期待できる点もメリットです。
■リベルサス・マンジャロの共通のデメリット
リベルサス・マンジャロに共通するデメリットとして、以下のことに注意しましょう。
-
薬のため副作用が出る可能性がある
-
ダイエット目的の場合、保険適応外になる
-
治療を受けられない場合がある
◎薬のため副作用が出る可能性がある
始めに軽い消化不良や吐き気、気持ち悪さなどの副作用が出ることがありますが、続けるうちに慣れてくることがほとんどです。日常生活に支障が出るほどつらい場合は、早めに医師に相談しましょう。
副作用は個人差があり、全ての人が経験するわけではありません。また、副作用が出た場合、薬の効果が切れるのに時間がかかるため、すぐには症状がなくならないことがあります。
吐き気と激しい腹痛が同時に起こった場合は、急性膵炎の初期症状の可能性があるため、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。急性膵炎、低血糖や胆のう炎、胆管炎などの重篤な副作用はまれにしか見られませんが、注意してください。
◎ダイエット目的の場合、保険適応外になる
日本では2型糖尿病に対する処方のみが健康保険の適用対象です。肥満症に対しては保険適用ではありません。このため、全額自己負担となり、治療費が高額になることがあります。
◎治療を受けられない場合がある
誰でも処方が受けられるわけではなく、以下の条件に当てはまる場合は、処方が難しくなります。
-
糖尿病
-
膵炎の既往
-
重度の胃腸障害
-
脳下垂体機能、副腎機能に異常がある
-
胃の摘出手術を受けた
-
薬のアレルギー歴がある
-
妊婦または妊娠している可能性、授乳中
糖尿病治療薬を服用している方は、併用によって低血糖のリスクが高まります。重度の胃腸障害を持つ方や膵炎・甲状腺疾患の既往がある方は、マンジャロの使用によって症状が悪化するリスクがあるため、注意が必要です。医師と相談の上で適切な治療を受けるようにしてください。
■デメリットを知った上で正しく使うことで効果が期待できる
GLP-1ダイエットは、無理なく食欲を抑えながら減量をサポートしますが、一方で注意すべき危険性や副作用も存在します。正しい情報を事前に把握し、医師の指導のもとで適切な方法と量を守ることが重要です。
これにより、リスクを最小限に抑えつつ、効果的に体重を減少させることが可能となります。ぜひお気軽にご相談ください。