マンジャロの注射ってどこに打つ? 皮下注射する場所の注意点|テラッセ納屋橋ファミリークリニック|名古屋市中区栄・伏見駅の内科・消化器内科・皮膚科

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マンジャロの注射ってどこに打つ? 皮下注射する場所の注意点


「マンジャロの注射はどこに打てばいい?」「おへそ周りは避けるって本当?」「毎回同じ場所でも大丈夫?」


初めて自己注射する場合、こうした不安がつきものです。しかし、打つ“場所”の基本といくつかのコツを知っておけば、安全に、そして迷わず続けられます。


今回は、基本の部位の選び方、避けたい位置(おへそ周囲など)やローテーションの考え方、痛みを抑える工夫、打ち忘れ時の対応までをわかりやすく解説します。


■マンジャロの皮下注射、“いつ”打てば正解?

マンジャロ(チルゼパチド)は、専用の使い切りペンで週に1回だけ打つ皮下注射です。食事とは無関係に投与でき、毎週同じ曜日に行うのが基本になります。


はじめての方は「同じ曜日を守る」「皮膚にまっすぐ当てる」という2点だけまず意識すれば、迷いがぐっと減ります。ペンはボタン操作で薬液が自動注入される設計なので、複雑な準備は不要です。


◎投与タイミングの決め方(同じ曜日、時間は自由)

投与日は“曜日固定”が最優先です。同じ日であれば朝・昼・夕のどの時間帯でもOKです。たとえば「日曜日の朝」に始めた場合、翌週は「日曜日の夜」にずれても問題ありません。生活リズムに合わせて“忘れにくいタイミング”をひとつ決めておくと、継続しやすくなります。


◎用量は2.5mgから。増量は医師と段階的に

治療は2.5mgから4週間始め、原則は5mgです。増量は、効果や副作用の出方を見ながら主治医が判断します。自己判断での増量は、吐き気などの副作用を強める原因になるため避けましょう。


◎アテオス(使い切りペン)のしくみと操作の流れ
  1. キャップを使う直前にまっすぐ外す

  2. 皮膚に垂直にしっかり当ててロック解除

  3. 注入ボタンを押す


のシンプルな手順です。空打ちは不要で、針は使用後に自動で本体へ戻ります。外したキャップをはめ直すのは針損傷や汚染の原因になるため避けてください。


■マンジャロの注射はどこに打つ?

自己注射に向いているのはお腹と太ももです。どちらも視認性が高く、ペンを安定させやすいのが理由です。


上腕(腕の外側)は、操作方法の訓練を受けた方が代わりに打つ場合に選択します。いずれの部位でも、毎回同じ場所を避けて少しずつずらすことが大原則です。


◎お腹に皮下注射するコツ――「おへそ5cmはNG」

お腹は広くて狙いやすい場所ですが、おへそ周囲約5cmは避けましょう。へそ周りは線維組織が多く、薬の吸収が不安定になりやすいからです。


消毒後、皮膚にペンの底面を垂直に密着させ、ぐらつかない姿勢で注入してください。赤みや痛みが残っている場所は、その回は避けましょう。


◎太ももは“中央寄り”が基本。ぶれない体勢で

太ももに打つときは、前面の中央寄りを選びます。外側・内側・付け根・膝近くなど皮下脂肪が少ない部位は避けましょう。座位で足をしっかり支えると、注射中の左右のぶれが減り、痛みの感じやすさも軽減します。


◎上腕は他者投与向け。自分で打つなら避けたいワケ

上腕は自分の目で打つ場所がわかりにくく、角度が斜めになりやすいため、自己注射には不向きです。看護師や家族など、操作方法の訓練を受けた人が投与する場合に選択しましょう。


■毎回同じ場所はダメ?皮下注射の“ローテーション”

同じところに繰り返し打つと、皮膚が硬くなるリポハイパートロフィー(脂肪織肥厚)を招き、痛みや吸収のばらつきにつながります。ローテーションを身につけることが、長期に安全に続けるコツです。


◎左右交互+2〜3cmずらす――これだけでOK

お腹は左右交互に、大まかな位置を行き来させながら、毎回2〜3cmずつ刺入点をずらします。太ももも右・左を交互に使い、同じライン上に続けて刺さないよう意識してください。難しく考えず、“前回の印から指2本分離す”くらいの感覚で十分です。


◎赤み・しこりが出たら部位変更

赤みやしこり(硬結)、青あざが残っている部位は、回復するまで別の部位へ変更しましょう。無理に同じ場所を使い続けると、痛みや吸収遅延の原因になります。


■痛みを減らすには?“チクッ”を和らげるコツ

注射の痛みをゼロにはできませんが、工夫することで痛みを軽減できます。大切なのは“力みを抜いて、まっすぐ、しっかり固定”することです。


◎垂直・固定・力を抜く――基本が大切

皮膚へ垂直に当て、注入中はペンを動かさないことが第一です。体に力が入ると痛みを感じやすくなるため、肩と手の力を抜くことを意識してください。注入にかかる時間は長くてもおよそ10秒です。慌てず一定の圧力で当て続けましょう。


◎冷たさが刺激なら“常温に戻す”で差が出る

冷蔵庫から出した直後でも投与は可能ですが、冷たさが刺激になって痛みが増す人もいます。そう感じる場合は、数分おいて常温に近づけてから打つと、体感が和らぐことがあります。


■マンジャロ注射、こんな時はどうしたらいい?

マンジャロ注射を使用する際に起こる疑問の対処法を紹介します。


◎「ちゃんと入った?」マンジャロ注射の完了サイン

終わりの不安は、音・目視・経過時間の三つで解消できます。どれか一つでも満たせば、過度に心配する必要はありません。


注入ボタンを押すと1回目の“カチッ”で注射開始、2回目が完了の合図です。音が分かりにくいときは、注入器の透明部分に灰色のゴムピストンが見えているかを確認しましょう。注入は10秒以内に終了し、針は自動的に戻ります。


◎打ち忘れは「72時間ルール」で迷わない

対応は次の予定投与日までの残り時間で決めます。判断を先延ばしにしないための、シンプルなルールです。


  • 72時間以上→すぐ打つ

    次回投与日まで72時間(3日)以上あれば、気づいた時点ですぐ投与し、以後は元の曜日に戻します。


  • 72時間未満→スキップ

    次回投与日まで残りが72時間未満なら、その回はスキップして、次の予定日に通常どおり打ちます。重ね打ちは過量投与の原因になるため避けましょう。


◎保管方法の注意点

品質を守ることは、安全に直結します。基本は冷蔵(2〜8℃)。直射日光や高温は避け、凍結は不可です。冷蔵できない場合は、室温(30℃以下)で21日まで保管できます。


落下や強い衝撃があったペン、灰色キャップを外したまま長時間置いたペン、針の露出が疑われるペンは使用を中止し、新しいペンに交換してください。安全と無菌性が担保できないためです。


◎使用後は指示に沿って安全廃棄

使用済みのペンは針が本体に戻る設計ですが、念のため露出がないか確認します。自治体や医療機関の指示に沿い、蓋のできる硬い容器に入れて廃棄するなど、誤刺防止に配慮しましょう。


■マンジャロは「部位ローテ」と「曜日固定」が続けるコツ

マンジャロの自己注射は、部位のローテーションと同じ曜日に打つリズムが安全・確実に続けるコツです。お腹や太ももを中心に、毎回位置を少しずつずらしましょう。不安な場合や迷ったときは気軽にご相談ください。


テラッセ納屋橋ファミリークリニック
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