内視鏡検査でポリープが見つかった場合、その場で取り除くことができます。大腸がんは放置されたポリープから発生することがあるため、ポリープを早期に取り除くことは、大腸がんの予防につながるのです。
この手術は日帰りで可能ですが、入院しないため加入している医療保険に加入している場合に給付金は受け取れるのでしょうか?
今回は、大腸ポリープの日帰り手術の一般的な流れ、医療保険の給付金はいくらもらえるのかなどを、わかりやすく解説していきます。大腸ポリープ切除について気になる方は参考にしてください。
目次
大腸ポリープの日帰り手術とは
大腸ポリープの日帰り手術とは、大腸カメラ検査でポリープを発見した際に、その場で切除する日帰り手術です。
検査と治療を同じ日に行えるため、別の日に手術の予定を立てる必要がありません。時間や費用の負担を軽減できることがメリットです。
大腸ポリープの日帰り手術の種類
大腸ポリープの切除は、1〜2分程度で完了する場合がほとんどです。
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・ポリペクトミー
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・内視鏡的粘膜切除術
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・コールドポリペクトミー
「ポリペクトミー」と呼ばれる方法では、スコープの先端からスネアという輪っか状の器具を出し、ポリープに引っかけて高周波を流して焼き切ります。
大きなポリープの場合は、ポリープの下に生理食塩水を注入し、粘膜に切開を加えてから切除します。これは、「全周切開内視鏡的粘膜切除術」という方法です。
高周波で施術すると出血のリスクが高くなるため、現在は焼き切らずに締め付けて切除する「コールドポリペクトミー」が一般的になりました。
大腸ポリープの日帰り手術の流れ
準備を含めた流れは基本的に大腸カメラ検査のみの場合と同じです。切除する際の手順は、以下になります。
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1.ポリープにスネアをかけます。
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2.スネアをそのまま締め付けて、電流を使わずにポリープを切除します。
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3.切除したポリープを回収して検査に出します。
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4.症状がなくても、念のために診察を受けます。
日帰り手術が出来ない条件
ポリープには、日帰りで切除が難しいものがあります。
◎大きいポリープ
1cm以上の大きなポリープは、切除時や切除後に出血や穴が開く可能性が高いため、慎重に対応する必要があります。大きなポリープを切除する場合は、入院が必要となることがあります。
◎出血しやすいポリープ
血管が豊富に含まれているポリープや、既にがん化している腺腫性ポリープのことです。これらのポリープは、切除中や切除後に予期せぬ出血を引き起こすリスクが高く、緊急時に迅速に対応できる体制を整える必要があります。
◎出血リスクが高い状態
抗凝固薬(血液の凝固を防ぐ薬)や抗血小板薬(血液を固まりにくくさせる薬)を長期間服用している方や、血が固まりにくい状態を持っている方は、治療前にこれらの薬の一時中断をお願いしたり、切除後の観察が必要になることがあります。
大腸ポリープの日帰り手術で医療保険や生命保険の保険金はおりるのか?
医療保険の種類や契約内容によって異なる場合がありますが、支給されるケースが一般的です。これは、手術に伴う経済的な負担を軽減するため、手術そのものに対して給付金が支払われます。
大腸ポリープ切除は、日帰り手術が一般的です。しかし、持病があるなどの理由で手術前後に入院が必要な場合には、入院給付金や一時金も支給されることがあります。
具体的な給付内容や金額については、加入している医療保険の契約内容を確認しましょう。わからない場合は、加入している保険会社のサポートに問い合わせると、詳しい情報を提供してもらえます。
手術給付金を受け取れないケース
具体的な支払い条件については、加入している医療保険の保険会社に直接確認することが重要です。以下の状況の場合には、給付金を受け取れない可能性があります。
◎治療を直接の目的としない手術
検査扱いとされることがあります。たとえば、大腸内視鏡検査などのように、治療よりも診断目的で行われる手術は、手術給付金の対象外となるかもしれません。
◎特定の術式
術師によっては、手術給付金の支払い対象にならない場合もあります。加入している医療保険のポリシーにより異なり、保険会社ごとに異なる基準が設けられています。
◎条件付きの契約
特定の部位や病気については不担保期間が設けられていることがあります。たとえば、直腸部位に関する手術が一定期間給付の対象外となる場合があります。
大腸内視鏡検査のみの場合は対象外
大腸内視鏡検査や病理組織検査だけの場合、給付金は支払われません。手術や治療を伴う入院であれば、手術給付金や入院給付金が支払われますが、単なる検査の場合は対象外となるため注意しましょう。
まとめ
現在、多くの医療保険では、日帰りでのポリープ切除手術が給付金の対象となっています。
医療保険では、契約者自身が請求しないと給付金が支払われません。そのため、支払い漏れがないように保険会社も郵便などで案内していますが、見逃して請求していなかったということも起こりえます。
もし日帰り手術などの治療を受ける場合や、受けた場合には、一度、保険会社や自身の保険の担当者に給付金の対象になるかどうか確認してみましょう。