サノレックス錠は、高度肥満症の治療に使用されるお薬です。この薬は食欲を抑制し、満腹感を増す作用があります。
通常、食事療法や運動療法が不十分な場合の補助薬として用いられます。この記事では、サノレックスの効果や副作用、保険適用の有無について詳しく解説します。
サノレックスとは
サノレックスは、「マジンドール」という成分が入った食欲を抑える飲み薬です。厚生労働省が認可している医薬品のため、薬局やドラッグストアでは購入できません。医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。
サノレックスの期待できるダイエット効果
薬の有効成分であるマジンドールは、脳の食欲を制御する部分に働きかけ、食欲を抑える効果があります。少ない量の食事でも満足感が得られるため、摂取カロリーを無理せず減らすことが可能です。
また、代謝を促進する働きもあり、エネルギー消費が増えることで、太りにくい体質に変えることが期待できます。
食欲を無理に抑え込む方法ではないため、ストレスを感じにくく、リバウンドもしにくいとされています。ダイエット中のストレスや食欲のコントロールが難しい方にとって、適したお薬といえるでしょう。
サノレックスの服用方法
食欲を落としたい日だけ飲むようにしましょう。毎日決まった時間に飲む必要はありません。
昼食の1時間前に1錠服用します。もし食欲抑制の効果が十分でない場合、1日に最大3錠まで増やせます。ただし、2錠以上飲む場合は、1日2〜3回に分けて服用するようにしましょう。
増量を希望する際は、必ず医師に相談して指示を受けてください。
まれに眠れなくなることがあるため、夕方や夜の服用は避け、飲み忘れた場合は、気づいたときにすぐ1回分を飲みます。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分を飛ばして次の服用時間に飲んでください。
服用期間はできる限り短く、3ヶ月が限度です。めまいやいらいらなどの副作用があるため、内服した後は、車の運転や機械の操作を控えましょう。また、飲酒は薬の副作用を強める可能性があるため控えましょう。
サノレックスの副作用
主な副作用として、以下のものが挙げられます。
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・口や喉が乾燥
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・眠りにくくなる
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・頭が痛くなる
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・体がだるくなる
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・吐き気や嘔吐
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・胃の不快感
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・便秘
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・皮膚にかゆみや発疹
臨床試験の結果では、約21.4%がこれらの副作用を経験したと報告されています。
非常にまれなケースですが、長期間の使用により肺高血圧症(息苦しさや胸の痛みなどを引き起こす病気)が生じることもあります。薬を服用していて気になる症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談しましょう。
サノレックスの長期使用は、重篤な副作用のリスクを高める可能性があるため、3ヶ月までの短期使用が推奨されています。また、この薬にはアンフェタミン類と類似した成分が含まれているため、長期使用が依存性のリスクを高める可能性があります。
サノレックスの保険適応について
厚生労働省が承認している食欲を抑える薬で、医師の診察と指導のもとで処方してもらえます。
体重が健康範囲を大きく超えている方、肥満度が70%以上か、BMIが35以上の方の場合、保険が適用されます。それ以外の方は保険が使えず、自費での診療になります。自費での費用は、1錠あたり550円です。
服用に注意が必要な方
以前にアレルギー反応を経験したことがある場合、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。また、緑内障、心臓障害、腎障害などの既往症がある方も注意が必要です。妊娠中や授乳中の方、または妊娠の可能性がある方は、この薬を使う前に医師に相談してください。
まとめ
サノレックスは、厚生労働省が承認した初めての食欲抑制剤で、1992年に発売されました。
当院では、ダイエット治療薬「リベルサス」のオプションとして「サノレックス」を処方しております。
国内で唯一、肥満治療用に認可された薬です。この薬を飲むだけで簡単に痩せるというわけではありませんので、薬について正しい知識を持ち、適切なダイエットを行うことが重要です。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。