ブログ

皮下注射は痛い?新薬「マンジャロ」について解説

2024年5月21日


マンジャロは、2型糖尿病治療薬として新たに開発された医薬品です。この薬はインスリンの機能を促し、血糖値を低下させる効果があります。また、体重減少をサポートする可能性もあります。


マンジャロを投与するためには、皮下注射を行わないといけません。皮下注射とは、薬剤を皮膚の下の脂肪組織に注入する方法です。注射が必要という事は、使用する際は痛いのでしょうか?


今回は皮下注射が特徴的な「マンジャロ」について解説します。どういう仕組みの薬なのか?など患者様の気になることや基本的な内容を紹介します。


マンジャロとは


マンジャロは、糖尿病治療に使われる新しいタイプの薬で、インスリン注射ではありせん。インスリンの分泌を助けるための薬です。2023年4月に発売開始となりました。


週に一度、皮下に注射するだけで済む、1回限りの使い捨ての薬です。薬の量を自分で設定したり、注射針を扱ったりする必要がありません。そのため使用が簡単ということがメリットになります。


マンジャロが血糖をコントロールする仕組み


身体が食事の後に自然に生成する2つのホルモンの働きを模倣して、すい臓を刺激しインスリンの生産を促す仕組みです。血糖値が高い時のみ、すい臓からインスリンを放出するように作用し血糖値を効果的に下げられます。そのため、従来のインスリン治療薬と比較して低血糖のリスクが低いと言われています。


マンジャロは、インスリンの分泌を助けるだけではありません。食欲を減らし、体が脂肪を燃焼しやすくするホルモンの分泌も促進します。そのため、体重管理にも有効な薬として注目されています。


マンジャロの購入方法


マンジャロは、一般の薬局で直接購入することはできません。この薬は、医師が必要と判断し処方箋を出した場合に限り、調剤薬局や病院で手に入れることが可能です。


マンジャロを使用する際の注意点


マンジャロを使用する際に注意することを、いくつか紹介します。


保管方法


マンジャロは、光から守るために、冷蔵庫で2℃から8℃の間で保管してください。これはお薬を安定した状態に保つためです。もし冷蔵庫が使えない場合は、直射日光が当たらない室温が30度以下の場所に保管し、21日以内に使用しましょう。


注射を打つタイミング


食事のタイミングや時間は関係ありません。決まった曜日の朝昼晩いつでも投与できます。忘れる可能性がある場合は、カレンダーに書き込んで置いたり、スマホのアラーム機能などを活用したりしましょう。1回使い切りタイプのため、空打ちは必要ありません。


注射を打つ場所


もし自分で注射をする場合は、お腹や太ももが適しています。他の方に注射をしてもらう場合は、その人が注射のやり方を習得していれば、上腕部に注射してもかまいません。


ただし、いつも同じ箇所に注射をしないように、注射する位置を少しずつ変えていくことが大切です。注射を繰り返し同じ部位に行うと、その皮膚が硬くなる可能性があります。どの部位が最適かについては、医師に相談してください。


注射を忘れてしまった場合や、予定どおりに注射できなかった場合


もし注射を忘れてしまったことに気づいた時に、次の注射予定日までに3日以上(72時間以上)の時間があるなら、すぐに注射を行いましょう。そして、次回からは元の予定通り、決められた曜日に注射を続けます。


ただし、次の注射予定日まで3日未満の時間しかない場合は、その時は注射を行わず、次の予定された曜日まで待って、その日に注射してください。


ダイエット目的で処方してもらえるのか


マンジャロは、体重の増加を抑える効果が期待されていますが、現在のところ、肥満治療薬としては認められていません。


マンジャロの副作用


マンジャロを使い始めたり、用量を増やしたりした際には、胃腸に関する不快な症状が生じる可能性があります。


副作用による胃腸症状


現れる可能性がある胃腸症状は食欲不振、胃の不快感、嘔吐、または下痢や便秘などです。これらはマンジャロを使用した際の一般的な副作用で、使用を開始した時に特に注意しましょう。


副作用による吐き気や嘔吐への対応


症状が日常生活に大きな影響を与えない程度であれば、しばらく様子を見ても構いません。ただし、症状が悪化する場合は、医師に相談しましょう。自己判断でマンジャロの使用を止めることは、避けてください。


食事に関しては、脂っこい食べ物を控え、1回辺りの食事の量を少なくしてみましょう。満腹になったらすぐに食べるのを止めるようにしてください。


皮下注射は痛い?


皮下注射とは、お肌のすぐ下にある柔らかい脂肪層に薬をゆっくりと送り込む方法です。この方法では、薬が体内でじわじわと広がりゆっくりと効いてくるのが特長で、効果が長く続くというメリットがあります。


注射は一般的に快いものではありません。針が肌を突き刺す瞬間に感じる「チクッ」という痛みは、できれば避けたいものですが、注射による痛みを完全になくせないのが現状です。


マンジャロの皮下注射は、針を細く短くすることで痛みを最小限に抑えるように設計されています。そのため、注射時の痛みは通常の注射に比べて軽微です。ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、痛みを感じない方もいれば、少し痛みを感じる方もいます。


まとめ


マンジャロは、2型糖尿病の治療に使われる新しいお薬です。身体の中でインスリンというホルモンがうまく働くように助け、血糖値を下げる効果があります。


週に一度、お腹や太ももなどの皮膚の下に注射することで、血糖値をコントロールできます。注射は使い捨てで、自分で薬の量を調整する必要はありません。


注射による痛みは人によって異なりますが、マンジャロの注射針は細くて短いため、痛みは少ないとされています。もし注射が苦手であれば、医師や看護師に相談し、注射の方法や痛みを和らげる方法についてアドバイスを受けてみましょう。


テラッセ納屋橋ファミリークリニック
医師
⇒院長の経歴はこちら